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海外ロングスティは可能か(5)


体験ツアー>海外ロングスティ5回

◆第5回・トラブル編

「海外&ロングスティ・海外生活」

「コロナの会」

読者と名乗る女性からはじめて電話があったのは、4月8日のことでした。なんでも拙著「年金&ロングスティ・海外生活」を 読んだが、もう少し早く読んでおれば騙されずに済んだかもしれなかった、ということでした。その内容というのは、フィリピン・セブ島のコロナデルマールというリゾート分譲地を現地の会社から25年間の建築条件付借地権で買ったが、これが詐欺で、現在、追い出しを食らっているというもの。 フィリピンに限らずタイ等も外国人の土地所有は認めておらず、これを購入しようとする場合は、その国の国民個人か、自国民が51% 以上株を保有する会社名義のものをいわば定期借地権で取得するということになります。 今回のケースはこの借地権そのものが、本来の所有権者に登記されておらず、1年間の賃貸契約でしかなかったというものでした。
コロナデルマール 冒頭の電話の主はこの「コロナデルマール被害者の会」のメンバーーのひとりでした。 そして、このコロナの会の人達は、老後の夢実現の為に払った一人平均約700万円という損害の補償と容疑者の処罰を 求めていました。私も、コロナの会の人達と会うと共に、5月に続き7月1日、再びセブ島を訪問し、この間の実情を調査してきました。 すると、これらの人達にこの土地を斡旋した中心人物と目される在留の日本人は地元の大学教授とのふれこみでしたが、周辺を取材してみると大学の教室を借りて、週2回日本語を教えているだけの人でした。また、斡旋した会社もあるにはあるものの、社長は前記の「教授」 と知り合いのフィリピン人女性で、事実上、休業状態でした。セブ島では今年(2005年)1月にも、コーラルリゾートホテルとそれに隣接 するゴルフ場への投資等をめぐって、これを推奨した直木賞作家の邱 永漢氏なども巻き込む裁判があったばかりです。 こうしたケースはもちろんセブ島に限った事ではありません。アジアのロングスティ先としてマレーシアと並んで人気の高いタイでも 不動産をめぐるトラブルはしばしば起きています。現地の女性と結婚するつもりで家を買ったが、日本人名義にできないので その女性の名義にしたところ、売り払われていたとか、日本に一時帰国してタイに戻ってみたら、全く知らない人が住んでいた、というようなケースです。また、前述したセブのケース同様、借地権でなら日本人も購入できる為、そのつもりで契約したら、実はこれが全くの 作り話で書類もニセモノだったという話もあります。 更に、マレーシア等では高級コンドミニアムを購入したつもりが、日本の宅地建物取引業法も建築基準法もあてはまらない為、メンテナンスや下取り交渉にすごく苦労したという話もしばしば耳にします。

南の島セブ島

買ってはいけない

昨今、ちょっとしたブームの感もあるロングスティですが、海外での不動産を買い急ぐ必要は毛頭ないと思います。 今、バンコク等では、ロング・ミドルスティ用のサービスアパートの建設も相次いでいます。 どうしてもという人は、しばらくこうしたところでミドルスティを体験してからでも遅くはないと思います。 1泊朝食付1,000〜2,000円でも探すことは可能です。のんびり過ごしながら、のんびり確かな選択をすることこそが、 ロングスティの趣旨にもかなうのではないでしょうか。どこの国にも善人もたくさんいますが、悪い事をする人もいます。 要は、自分の目で確認する、不確かな時は信頼できる専門家の知恵を借りるといった基本を守ることではないでしょうか。 ロングスティが広がるにつれ、リタイヤした年金生活者だけでない、さまざまなスタイルのロングスティが増えてきています。 次回は、その「さまざまロングスティ」を紹介します。

参考:「海外&ロングスティ・海外生活」-世界書院・(株)エトリックス刊

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