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海外ロングスティは可能か(3)


体験ツアー>海外ロングスティ3回

◆第3回・ヨーロッパの場合

「海外&ロングスティ・海外生活」

ヨーロッパに中・長期滞在する中高年層が少しずつ増えてきています。在職中に 出張で訪欧した時や、観光旅行で来た時の感動が忘れられないといった人から、 歴史や文化をじっくりと味わいたいという人までさまざま。なかでも人気が高いのは スペイン、イタリアといったラテン系と呼ばれる南欧の国々と、アルプスを抱える 永世中立国スイスなどです。今回はそのなかでスペインとスイスをとりあげてみましょう。

スペインの反乱

ヨーロッパ大陸南端に大きく張り出したイベリア半島の中核をなすスペインは、 ジブラルタル海峡をはさんでアフリカにも近く事実、レコンキスタ(国土回復運動)と呼ばれるアフリカ系イスラム教徒 との長い間の闘争などを通じて混血した人も多い、いかにも南国風の趣きを濃く残した国です。 日本人に人気があるのは、アンダルシア地方に象徴される地中海に面した南部地域です。 ミハス、ロンダといった白い街並みにも魅せられるのでしょう。 物価も比較的安く、食料自給率も高い国で、1ヶ月約20万円もあれば夫婦2人の生活は十分に可能です。 ヨーロッパの他の国々同様、90日以内の滞在はノービザ(無査証)で可能ですが、 長期滞在の為のリタイヤメントビザは制度はるものの、時々かわることもあって、そう簡単ではありません。 ところが、今年(2005年)2月からスペイン政府は、半年以上スペイン滞在した主に北アフリカや 中南米からの不法移民にも就労ビザを与えることにしました。ヨーロッパ域内は事実上、国境がないに等しい為、 スペインで合法化した「難民」の他国への流出や、逆に他国からスペインで「合法化」を得ようという移民の 動きが早くも活発化しています。スペインだけでも80万〜100万人といわれる難民達が更に増えるとなると、 今でも500万人の失業者を抱えるドイツだけでなく、ヨーロッパ全体に賃金の低下や失業者の増加、 更には治安の悪化が広がりかねないと、不安とスペイン政府への不満が広がっているのです。 今のところ、これに合わせて年金生活者へのリタイアメントビザの条件が緩和された というニュースは伝わってきておらず、先行き不透明といったままです。

物価高のスイス

もう一つ、森と湖、アルプスに象徴されるスイスをみてみましょう。 一人当たりの国民所得が90年代はトップ、今でも世界第4位と日本の5位より上位にあるこの国は、 それだけ物価も高いのが実情です。 平地や肥沃な土地の少ないスイスは、巧みなカジとりで経済を運営してきました。 アルプスの連なる南側は観光で、反対に湖などのある北側は国際機関の誘致といった具合にです。 これを支えたのが、近隣諸国からの安価な労働力でもありました。 近年、イタリアや旧東欧からの安い労働力の流入がさまざまな問題を派生させていることもあって、 日本人への長期滞在のビザも厳しくなってきています。 何より物価がヨーロッパでも1,2を争う程高い為、年金だけでの生活は余程質素にしないと 厳しいといわざるを得ないのです。 こうみてくると、南ヨーロッパの太陽に恵まれたスペインも自然と治安に恵まれたスイスも、 老後を長く過ごすには、そう手放しではいけないことがわかります。 次回はアジアについて説明します。

参考:「海外&ロングスティ・海外生活」-世界書院・(株)エトリックス刊

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