定年後をのんびり過ごすという事については、漠然と想像する事はあっても、 一昔前までは、それを海外で、などと誰も考えも及ばなかったのではないでしょうか。 それが、昨年(2004年)の年金法改定をめぐる論議で明らかになった 先々への不安や、海外情報の普及などが相まって、海外年金生活とかロングスティという 言葉も急速に広まりつつあります。 「ロングスティ」という、今はやりのように使われ出した感のある言葉ですが、 今から10余年前の1992年(平成4年)、公益法人として設立されたロングスティ財団があり、 この財団が長く、これに関しての普及、啓発に携わってきているのです。 ここでのロングスティとは、「移住でも永住でもない海外滞在型余暇のことを指す」 としています。このシリーズでもこの定義に沿って説明していきます。
こうした動きに拍車をかけてきているのが、2007年頃から、戦後生まれのの ベビーブーム世代、俗に「団塊の世代」といわれる人達がどっと定年を迎えると いわれている事です。 この団塊の世代は、それ以前の中高年層と大きく異なり、海外旅行も何回も経験 しており、簡単な英語ならひと通り理解する人が多く、外国に対する抵抗感が それほどないのです。 これに、ガイドブック、TV、更にはインターネット等による海外情報が、あふれるほど 容易に入手できるようになり、海外生活はさらに身近なものになってきている といえます。
少子高齢化も相まって、年金がますます先細りになってきそうな日本を脱出して、 物価も安くて、気候も温暖な海外へ、と目が向くようになってきたのはわかるとして、 不安はないのか、という事が次ぎの疑問として生じてきます。 海外で生活するとしたら、何が一番不安ですか、といった質問やアンケートで 一番多くあげられるのが、「治安」「医療」「言葉」といった事です。 これらについては、このシリーズで次回以降説明しますが、これらと同じように、 いや最優先に考えておかねばならない問題があります。 それは「お金」です。 日本よりはるかに安く生活できそうな海外ですが、先進国はもちろん発展途上国の 国々でもクリアーすべきいくつかの問題があります。パスポートやビザの問題もあります。 このシリーズでは、普通の庶民が本当に海外で中・長期滞在ができるのか、いわゆるロングスティは可能なのか、 といった事を中心にわかりやすく解説します。